【元消防士監修】自宅でできる家族を守る防災術

【「阪神淡路大震災」経験者の元消防士監修】家族を守る生存戦略 災害時に家族を守れる、頼れる父親になりたい方必見!? 地震、津波、台風など突発的な自然災害時に家族を守れる『防災・救急のロードマップ』を公開

非常持ち出し袋のおすすめ内容

今回の記事では、“非常持ち出し袋”として、どんなものを用意するべきか、ケースごとに考えていきます。

 

非常持ち出し袋はどんな時に使うものなのか、何のために用意するものなのかについても解説していきます!

 

もう既に用意しているよ!という方も、中身の使い方や不足がないかチェックしてみましょう!

 

 

 

目次

1・今回の記事を読んでほしい人

2・非常持ち出し袋を用意する上で考えなければいけないこと

3・災害経験者が「あってよかった」と感じたもの

4・災害経験者が「用意したけど使わなかった、邪魔だった」と感じたもの

5・非常持ち出し袋は1から用意するか、セットを買うかどっちがいい?

6・僕からのアウトプットのお願

 

 

 

1・今回の記事を読んでほしい人

 

非常持ち出し袋ってよく聞くけど、用意しなくてもいいと思っている人

 

非常持ち出し袋のセットは買ったが、買ってそのままにしている人

 

・家族のために、非常持ち出し袋をアップグレードさせたいと思っている人

 

上記の1つでも当てはまる人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!

 

 

2・非常持ち出し袋ってどんなもの?

非常持ち出し袋とは、「災害が発生し、避難する時に一緒に持って行き、避難してから救援物資が届くまで過ごせるようにするための装備」です。

 

ニュースなどで、避難所にて救援物資が配られている情景を見たことのある方もいると思いますが、避難所から離れた場所に物資を置いていることも多く、災害発生後の当日、翌日は物資が届かないと思っておきましょう。

 

特に都市部では被災者も多くなることから、すぐには物資が行き渡らないことも考えられます。

 

内閣府の計画では、首都直下型地震が発生した場合、4~7日後に必要な物資を輸送するとされています。

 

その為、最低でも3~7日は自力で生活出来るようにする必要があります。

 

誰と一緒に住んでいて、どんなものが必要なのか、各々持って逃げられる荷物の大きさ・重量を考えて用意しましょう。

 

 

3・最低限用意するべきもの

家族に合わせたカスタマイズが必須ではありますが、まずは全員が共通して持っておきたいものを確認していきましょう。

 

  • 荷物を入れる“かばん”

ある程度の容量が必要になりますので、最低でも15L以上のものを用意しましょう。

「両手を空けるためにリュックにしよう!」と聞いたことがあるかもしれませんが、僕の経験的には、①両手を空けられるリュックサック②重さのハンデがほぼ消えるキャリーバッグのどちらかであればいいと思います。しかし、キャリーバッグは平地の移動では楽ですが、階段などでは地獄を見ることになるかもしれない、ということは頭の隅に置いておきましょう。やはり無難なのはリュックですね。

 

夜間の避難も考えられるので、反射板や夜間でも視認しやすい色を選ぶのもポイントです。

(リュックの画像)

 

 

  • 非常食(1人につき3~7日分)

企業、政府などからの配給が始まるのが早くて3日、遅くて7日程度と予想されています。その為、最低限配給が始まるまでの食料が必要になってきます。別記事でどんな非常食があるのか、どんなものが非常食として優秀なのか取り上げていますので是非参考にしてみてください。(非常食〇選のURL)

(非常食の画像)

 

推奨は1人あたり、1日3L×2~3日の6~9Lと言われています。これは飲むようの水だけでなく、トイレや体を拭く用、食器の洗浄用としての生活用水も含んでの量です。ですが9Lの水(=9㎏)を背負って逃げるってかなりしんどいですよね。

なので、自分はどのくらいの量なら持って行けそうか事前に把握しておくことは非常に大事です。最低でも500ml、欲を言えば2Lは用意しましょう。

普通の水は長い間放っておくと腐ってしまうので、用意するのは保存水を用意しましょう。

(保存水の画像)

 

  • アルミブランケット

このアルミブランケットは、文字通り一番外側がアルミで出来ており、保温・保湿・防水・防風効果があり、冬には体温を逃がさずに温めてくれます。

銀色は紫外線を反射する効果もあるので、夏の炎天下でも日よけ替わりとして体温の上昇を防いでくれます。

かなりコンパクトに折りたためる上、軽いので荷物の邪魔にならない点からも、必ず用意しましょう。

(アルミブランケットの折りたたんだ画像、広げた画像)

 

 

  • 簡易携帯トイレ

避難所に仮設トイレが設置されるまでの間はトイレがないため大変です。

自宅にいる場合でも断水時には水が出ないので流せません。

仮設トイレが設置されてからも、特に女性トイレは長蛇の列になり、お年寄りの方も大変です。

通常の生活でもない為、体調を崩しやすく、便通も不規則になってしまいます。

最低1人につき1日1回分×3~7日分は用意しましょう。

(簡易トイレの画像)

 

避難時、断水時はなかなかお風呂に入ることが出来ません。

体を拭く以外にも食器を拭いたりも出来るのである程度の量は用意しておいた方がいいです。ハードケースよりもパックタイプの方が嵩張らずに管理できるのでおススメです。消毒用の場合のみアルコールタイプを、それ以外はノンアルコールタイプを選びましょう。

(ノンアルコールウェットティッシュの画像)

 

 

  • 現金(1000円札と硬貨)、身分証明書

災害発生後、電子マネーやクレジットカードは使えなくなる可能性が高いので現金を用意する必要があります。1万円、5千円札では使い勝手が悪い場合があるので、出来るだけ札は千円札を数万円分用意しましょう。硬貨も500、100、10円玉を用意していた方がいいです。

また、被災直後は銀行などでお金を下すことが出来なくなる恐れがあるので、1人あたり千円札×50枚、硬貨は各30枚づつ用意しておきましょう。復旧までどのくらいの期間かかるか分からないので、決して過剰な備えではないと思います。

実際に過去の災害時には、被災後も頑張って営業してくれていた店舗もあったみたいですが、おにぎり2個と少しのおかずで1000円、弁当1個5000円(3か月後には潰れたみたいですが…)という実例もあります。そんなに高くても需要があるので売れてしまうし買ってしまうんですよね。

 

身分証明書として免許証、健康保険証のコピーを用意しておきましょう。

過去の大災害の際には、多くの銀行でキャッシュカードや通帳が無くても身分証の提示のみで一定額まで引き出せる特別措置が施されています。

(お金のデフォルメ画像)

 

  • 手回し充電ラジオ

手回しで本体に充電できるタイプを選びましょう。また、ラジオだけでなくライトやスマホの充電など荷物を少なくするために多機能なものを選びましょう。

 

スマホの充電も出来るタイプもありますが、充電量は非常に小さいため、かなり苦労して回し続けても数%充電出来たらいい方だと思っておきましょう。

スマホ充電用には専用のモバイルバッテリーを用意した方が無難です。

(手回し充電ラジオの画像)

 

 

  • ホイッスル

家屋の倒壊や土砂崩れに巻き込まれ、まだ中に取り残されている、という時に役立つアイテムです。防災アイテムの中でも一番重要と言われることもあります。

声を出すことが出来たとしても、避難している人、ヘリコプターや消防車などの周りの音にかき消されてしまいます。その点、ホイッスルは少ない息で非常に遠くまで大きな音を届けることが出来ます。

また、中に球の入っていないタイプを選びましょう。球が入っているタイプでは湿気で音が出なくなることがある為です。

(防災ホイッスルの画像)

 

 

 

  • 懐中電灯・ハンドライト

手回し充電ライトとは別に1人に1本は必要です。

充電タイプでない場合は電池も忘れずに用意しましょう。

(懐中電灯の画像)

 

 

  • 常備薬

普段から服用している薬がある場合は必ず用意しましょう。

最低でも3~7日分を用意する必要があります。

(常備薬の画像)

 

 

 

 

 

3・災害経験者が「あってよかった」と感じたもの

 

  1. 水タンク、ウォーターバック

断水時には給水車が各避難所などに回ってきてくれます。

手元にあるペットボトルに入る水だけでは心元ないですよね。

水タンクやウォーターバックであれば5~10L程度の水を貯めることが出来るので非常に重宝します。

(水タンク、ウォーターバックの画像)

 

  1. 衛生用品(トイレットペーパー・歯磨き粉・お湯のいらないシャンプーなど)

トイレットペーパーはトイレ用として使うだけでなく、食器を拭いたりすることもできます。荷物がいっぱいで1ロール入らない場合は、半分くらい巻き取っておくといいと思います。

 

歯磨き粉やシャンプーなどは、普段使いのものだと被災時に貴重な水を大量に消費してしまうので、歯磨き粉は歯磨きシート、シャンプーはお湯のいらないシャンプー、と言ったものを用意しておきましょう。

歯磨きシートだけでは歯の間は掃除出来ないので、気になる人は歯間ブラシ・フロスの用意も併せてしておきましょう。

ただでさえ、被災時は強いストレスがかかるため、出来るだけすっきり、さっぱりとした日常に近い状態を作り出す必要があります。

(トイレットペーパー、歯磨きシート、歯間ブラシ・フロス、お湯のいらないシャンプーの画像)

 

  1. ラップ・紙皿・紙コップ

断水時は貴重な水を食器洗いに使う余裕はありません。

食器や紙皿、紙コップにラップを巻き、ラップを交換するだけで繰り返し使えるようにすることで大幅に水を節約することが出来ます。

 

また、怪我をしてしまった時は、傷口をきれいに洗浄した後、ラップを巻くことで止血することも可能です。

 

外箱を捨てて、ラップをむき出しの状態でリュックに詰めれば省スペースで済みますが、その場合は必ず袋などに入れて、清潔な状態で保管できるようにしましょう。

(ラップ、紙皿・紙コップの画像)

 

 

  1. ランタン

懐中電灯では照らす範囲が狭いため、夜間の食事の時などでは周囲を照らすことのできるランタンがあると非常に便利です。

大きく分けてガス式、電気式の2種類がありますが、電気式の方を選びましょう。

ガス式の方が明るさの面で言えば軍配が上がりますが、ガスを使用する危険性、建物内で使うには明るすぎる点から、使い勝手のいい電気式を選ぶ方がいいと思います。

電気式にも充電タイプと乾電池タイプがあります。個人的には充電タイプで充電池を複数用意しておくことをお勧めしますが、かなり費用が掛かるので各家庭に合ったタイプを選んでください。

(電気式ランタンの画像)

 

また、もちろんランタンはあると非常に便利ですが、水の入ったペットボトル+懐中電灯でも簡易ランタンを自作することが出来ます。

その場合、懐中電灯が倒れにくいようにする工夫と懐中電灯に乗せやすいペットボトルを選ぶことが重要になってきますので、事前に準備しておきましょう。

(自作ランタンの画像)

 

  1. アイマスク・耳栓

避難所では他にも多くの人たちがいる中、最低限の寝具しかない状態で寝なくてはいけません。

今後の不安や周りの騒音が気になって寝られないなんてこともよくある話です。

車中泊や日中の仮眠時にも外を気にせず、寝ることが出来るので非常に重宝します。

(アイマスク、耳栓の画像)

 

 

 

 

 

4・元消防士が「必要ない」と感じた防災グッズ

首相官邸のHPに書かれている防災グッズの中で、元消防士の僕が必要ないと感じたものを5点紹介します。

 

 

 

  1. カップ

自宅避難時または赤ちゃんのミルク用としては必要になってきますが、避難所でカップ麺を食べる為に用意する、というのであればやめておきましょう。

 

避難所用の非常食としては、臭いが比較的少ない缶詰パンやアルファ化米などを用意すると良いでしょう。

 

様々な人がストレスに耐えながら集団生活をしていく場なので、他の人に不快な思いをなるべくさせないように心がけることも必要ではないかと思います。

 

また、カセットコンロとボンベを用意するとリュックの容量をかなり占めることになりかねません。

他の必要なものが入らないとなっては本末転倒なので、どうしても必要という場合を除き、自宅用として用意しておきましょう。

(カセットコンロ、ガスボンベの画像)

 

 

 

  1. 印鑑・通帳

身分証明書のみで銀行から出金出来る特別措置が施される可能性が高いため、わざわざ貴重品である印鑑・通帳を用意する必要はないと思います。

 

また、被災地では避難所や避難して空っぽになった家屋での火事場泥棒がほぼ確実に出現します。

印鑑・通帳が犯人の手に渡ってしまうと出金されてしまうので、普段からそう簡単に見つかるような場所には置いておかないようにしましょう。

(貴重品の画像)

 

 

 

  1. ろうそく・マッチ

停電時の明かりの確保の為かと思われますが、暗い部屋でろうそくを使用すると転倒して火事の元になる方が怖いので、他の方法を考えましょう。

 

明かりの確保の為なら、電気ランタンを用意するか、懐中電灯+水の入ったペットボトルで簡易ランタンとして自作するのがいいと思います。

(ろうそく転倒で火事の画像)

 

 

 

  1. 軍手

一見必要そうに思える軍手ですが、必要ないと言うよりは「軍手ではなくケブラー繊維製手袋を用意しましょう」ということになります。

 

被災時に軍手を必要とするシーンでは「手に怪我をしないようにするために軍手をする」といったことが想像されます。

 

ですが、軍手はガラス片などの危険から手を守るのには不十分であり、もし怪我をしてしまっても、被災直後はろくに治療を受けられない可能性があります。

 

その為、ケガのリスクを抑えるためにも用意しましょう。

 

ちなみに、消防隊が火災現場に突入する際の手袋がケブラー繊維製手袋の為、安全性は折り紙付きです。

(ケブラー手袋の画像)

 

 

 

  1. 毛布

毛布1枚用意するだけでも非常にかさばりますよね。

当然冬場などはあるに越したことはありませんが、避難する時に持っていくのではなく、避難所生活中に自宅に取りに戻る、くらいに考えていた方がいいと思います。

 

毛布を用意しなくても、アルミブランケットさえあれば、寒さを凌ぐことは出来るので、最低でもアルミブランケットは防寒具として必ず用意しておいてください。

(丸めたor畳んだ毛布の画像)

 

 

 

 

 

 

 

5・非常持ち出し袋は1から用意するか、セットを買うかどっちがいい?

 

結論から言うと、セットを買って、自分たちの家族、地域、想定する災害、季節に応じてカスタマイズすることがベストであると言えます。

 

もちろん完全に自分好みに1から全て用意してもいいのですが、予想外に費用がかかるので、初めはセットを買うことからスタートするのをお勧めします。

 

セット販売されているものの方が確実に安くは手に入るので、非常持ち出し袋のベースを作るという意味では、十分な役割を果たすと思います。

 

ですが、あくまでベースを作るだけであって、自分たち様にカスタマイズすることが必要です。

 

家族構成、住んでいる地域、想定する災害、季節によって、用意するべき、役に立つであろうものは若干ずつ変わってきます。

 

ローリングストックの意味も兼ねて、季節が変わるごとに袋の中身を点検・交換することをおすすめします。

 

 

6・僕からのアウトプットのお願い

 

ここまで読んでくださってありがとうございます。

 

せっかくここまで読んで頂いたので、1つお願いがあります。

 

それは、あなたの気になった非常持ち出し袋セットや装備品をチェックしてほしいのです。

 

あなたの大切な人を守るためにも、読んで「ふーん。そうなんだ」で終わって欲しくありません。

 

非常持ち出し袋は、避難する時に一緒に持って逃げられる最大限の装備になります。

 

ぜひチェックしてみてください。

 

「こういう時にはどうしたいいのか?」などと疑問に思った時は、遠慮なく僕宛にメッセージを送ってください。

 

「もっと○○な内容を増やしてほしい」「○○について知りたいから記事にしてほしい」などものご要望や、記事を読んだ感想も大歓迎です!

 

ではまた次の記事でお会いしましょう。

 

 

 

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