【元消防士監修】自宅でできる家族を守る防災術

【「阪神淡路大震災」経験者の元消防士監修】家族を守る生存戦略 災害時に家族を守れる、頼れる父親になりたい方必見!? 地震、津波、台風など突発的な自然災害時に家族を守れる『防災・救急のロードマップ』を公開

心肺蘇生法のやり方と注意点

今回の記事では、心肺蘇生法のやり方と注意点について書いていきます。

 

心肺蘇生法と言えば、ずばり心臓マッサージと人工呼吸です!

 

皆さんも学校や教習所で習ったこともあるとは思いますが、今一度おさらいの意味も込めて見ていきましょう!

 

 

今回の記事では、日本蘇生協議会(Japan Resuscitation Council)が5年ごとに発表している蘇生ガイドライン(最新版は2020年12月22日公開)に沿って解説していきます。

 

その中でも “一次救命措置(BLS)”、“小児の蘇生(PLS)”、“新生児の蘇生(NCPR)”の内容に沿って解説していきます。

 

 

目次

1・今回の記事を読んでほしい人

2・なぜあなたが心肺蘇生法を身につけなければいけないのか

3・救命の連鎖

4・大人の心肺蘇生法

5・乳児・小児の心配蘇生法

6・心肺蘇生を行った結果、訴えられる?

7・実際に心停止の傷病者と向き合う前に

 

 

1・今回の記事を読んでほしい人

 

・大切な人がいる人

 

・心肺蘇生法を学んだことはあるけれどあまり覚えていない人

 

・目の前で倒れた人のためになにか行動できる人になりたい人

 

 

1つでも当てはまる人はぜひこの記事を参考にしてみてください!

 

 

 

2・なぜ“あなた”が心肺蘇生法を身につけなければいけないのか

 

心肺蘇生法(CPR)は学校の授業や教習所で必ず1度は習うほど、重要な救急法です。

 

なぜ心肺蘇生法がここまで重要視されるのかというと、第一発見者による処置があるかないかで大きく生存率に差が出てしまうためです。

 

心臓が止まってから3分後には脳が壊死し始めますが、救急隊の現場到着時間は全国平均で通報から8.7分(令和元年12月26日総務省消防庁発表)と言われています。

 

ということは、心停止から救急車が来るまで何もせずに待つ、と言うのは見殺しにしていることと大差がないことになってしまいます。

 

 

では救急隊が到着するまでの間、誰が処置すればいいのでしょうか?

 

僕みたいな経験のある人がその場にいれば、率先してやると思うので、その人に指示されるとおりにサポートしてあげてください。

 

しかし、その場に誰も経験のある人がいなかったら?

 

そもそもあなた以外に他の人がいなかったら?

 

そうです。

 

その倒れている人を救うことが出来る可能性があるのは“あなた”だけです。

 

初めからキツイことを連発していきますが、僕が実際に救急隊として心肺停止患者の出動をしてきた中で、心拍再開し社会復帰まで出来た患者というのは、必ず周りの人が心肺蘇生してくれていました。

 

もちろん周りの人が頑張ったにも関わらず助からなかった方もいますが、周りの人が心肺蘇生していない患者が助かったという話はよっぽど特殊な状況(雪山などの超寒冷地や薬品を用いた場合など)を除き、あり得ないと個人的には思っています。

 

あなたの大切な人が倒れてしまった、その時にその人を助けることが出来るのは“あなた”しかいない、という気持ちで読んでいっていただけると嬉しいです。

 

 

3・救命の連鎖

心停止患者の救命には、救命の連鎖(Chain of Survival)が必須になります。

 

 

(救命の連鎖の画像)

 

・心停止の予防

 危険な不整脈が突然死の原因になります。危険な不整脈の兆しは「急に心臓が早く打つ」「少しの運動でも胸が締め付けられるように苦しくなる」「(原因がわからないまま)脈が途切れたり、気を失ったことがある」などがありますので、心当たり、もしくは親戚の方に病気や動機、胸の苦しさがあって突然死した人がいる場合、検査してみることをお勧めします。

 

・早期通報

 出来る限り早く救急車の要請と応援を求めます。

 

・早期心肺蘇生術(CPR)

 出来る限り早く良質な胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を行います。

 

・早期除細動

 出来る限り早くAED(自動体外式除細動器)を用いて電気ショックを行います。

 

・早期二次救命処置

 出来る限り早く医療機関で、心停止後の集中治療を含めた適切な処置を行います。

 

 

もし、誰かが倒れてから3~4分以内にCPRが始められ、電気ショックが8分以内に施された場合、その被害者の生存率は30~40%と言われています。

 

これだけ早期に処置がスタートしても生存率は50%以下なので、いかに早く処置できるかがカギになってきます。

 

突然の心停止は様々な国で主要な死亡要因の一つとなっています。

 

事前の病気や症状がなく、突然発症するケースも珍しくありません。

 

自宅での発症率が高く、特に50~70代の高齢男性は発症するケースが多いですが、過去には学校で体育の授業中だった女子生徒がグラウンドを走っていると突然倒れ、そのまま亡くなるということもありました。

 

また、空手の試合や野球のピッチャー返しで胸を強打し、そのまま心停止になった、ということも実際に起こっています。

 

様々な要因で心停止の可能性はありえるので、しっかりと学んでおくことが重要です。

 

 

 

4・大人の心肺蘇生法

 

  • 周囲の安全の確認をする。

 

倒れている人(以下 傷病者)を発見した場合、駆け寄る前に周囲の安全を確認しましょう。

安全が確認・確保出来てから近づいてください。

 

<Point>

傷病者が危険な場所(道路の真ん中など)にいる場合、そのまま処置しては危険なので、歩道などに移動しましょう。

 

 

  • 反応の確認をする。

 

肩を叩きながら、呼びかけます。

 

何らかの反応、目的のある仕草が無ければ、「反応なし」とみなします。

 

反応がある場合は、状況に合わせて119番通報するなどの対応をします。

 

<Point>

・叩く強さ、呼びかける声の大きさを1回目<2回目<3回目と徐々に大きくしていきましょう。

 

  • 呼吸の確認をする。

 

呼吸の確認では、傷病者の口に手をかざし、胸と腹部の動きを10秒以内で確認します。

 

<Point>

・口に手をかざす理由は、口からの呼吸を確認するのではなく、急な嘔吐や出血による顔への汚染を防ぐ為です。

 

・脈の確認を推奨している資料もありますが、素人が簡単に判断できるものではないので、脈の確認はしなくて大丈夫です。脈の確認は自信のある場合のみ行いましょう。

 

  • 119番通報、AEDの手配をする。

 

反応、呼吸共にない場合、心停止の可能性があります。

 

周囲に人がいる場合、119番通報で救急車を要請、AEDを持ってくるように依頼しましょう。

 

この時、「誰か119番通報をお願いします」と言っても、擦り付け合いが始まって誰もやらない可能性があります。

 

「あなたは119番通報をお願いします。」

「あなたはAEDを持ってきてください。見つからなくても必ず戻ってきてください。」

 

といったように、指名して依頼してください。

 

<Point>

AEDを依頼した人に「見つからなくても必ず戻ってきてください」と言う理由は、AEDが届くのか届かないのかをハッキリさせるためであり、理想は8分以内の電気ショックのため、どこまでも遠くまで探しに行かせないためです。

 

・周囲に人がいるにも関わらず1人で救助を行うのは悪手です。必ず多くの人に助けを求めましょう。

 

・周囲に人がいても、119番通報とAEDを依頼しても誰もやってくれない、「いや、やり方わからないので…」とあまりにも非協力的な場合、「お前がやらんせいでこの人死ぬで」などと脅すなどのキツい言い方をするのは止めましょう。

言いたくなる気持ちも分かりますが、動画を撮られてあなたが訴えられたりと、かなり都合の悪い状況に陥る可能性が非常に高いです。

「薄情もんが!」と心の中で悪態をつきながら救急隊が来るまで、あなただけでも頑張れることを頑張りましょう。

 

・周囲に人がいない場合、AEDは諦めて、急いで通報した後、直ちに胸骨圧迫を開始しましょう。

 

  • 胸骨圧迫を30回行う。

 

心停止の確認から10秒以内(出来るだけ迅速に最優先)に胸骨圧迫を行います。

 

胸の真ん中(乳首と乳首を結んだラインの中心)に片方の手の付け根を置き、もう片方の手をその手の上に重ねます。

 

肘をしっかりと伸ばし、一定のペース(100~120回/分)でまっすぐに強く(約5㎝、6㎝を超えないように)圧迫します。

 

<Point>

・胸骨圧迫をすると肋骨が折れるのでは?とよく聞かれますが、しっかりと圧迫すればほぼ間違いなく折れます。お年寄りや骨の弱い人ほど簡単に折れてしまいますが、しっかりと圧迫できているからこそ、と思って続けてください。

 

・圧迫は、自電車の空気入れポンプをイメージし、圧迫後はしっかりと圧迫前の位置まで戻ることを意識しましょう。

 

・肘が曲がって力がまっすぐ伝わっていない、圧迫後に元の位置まで戻っていない場合、有効な胸骨圧迫にならないので注意しましょう。

 

・まっすぐ圧迫するためには、傷病者の奥の肩に目線を合わせるとまっすぐになりやすいです。

 

(胸骨圧迫時の目線画像)

                                                                                          

アンパンマンのマーチのテンポがちょうど1分間に100回くらいのペースになります。

 

  • 人工呼吸を2回行う。

 

傷病者の額に手を当て、あご先を持ち上げるように気道確保します。

 

額に当てていた手で傷病者の鼻をつまみ、空気が漏れないように自分の口で傷病者の口を覆って、軽く胸が上がる程度の量の空気を1回約1秒かけて吹き込みます。

 

<Point>

・あご先を持ち上げる際は、口と喉が一直線になるように意識します。

 

・鼻と口は繋がっているので、しっかりと鼻をつまんで空気が漏れないようにしましょう。

 

・空気を吹き込む際、「軽く胸が上がる程度」を意識しましょう。

空気を入れすぎても、肺に行かずに食道に空気が流れてしまうことがあります。

そうなると嘔吐の原因になり、窒息の危険性も出てくるので注意しましょう。

 

・人口呼吸は口と口の接触のため、ためらわれる場合は省力し、胸骨圧迫のみ行いましょう。むしろ、かなり訓練を積まないと難しい手技なので、自信がない場合は省略してください。

 

・人口呼吸を行っても胸が上がらない、空気が入っているか分からない場合があります。その場合も何回も挑戦するのではなく、必ず2回だけ行い、すぐに胸骨圧迫に移ってください。心肺蘇生法は胸骨圧迫がメインの為、人工呼吸はオマケと考えるくらいが丁度いいかもしれません。

*もちろん人工呼吸も大切なので、しっかりと出来る場合はやりましょう。

 

 

 

  • 胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返す。

 

胸骨圧迫30回 → 人工呼吸2回 → 胸骨圧迫30回 → 人工呼吸2回 → …

 

のサイクルで救急隊に引き継ぐまで繰り返します。

 

<Point>

・救急隊に引き継ぐまでの間、明らかな反応(手を払いのけるなど)がない場合、決して中断しないでください。

 

・1人で胸骨圧迫を続けると非常に疲れます。疲れてくると効果的な胸骨圧迫を続けることは困難です。周りに人がいる場合、必ず交代しながら行いましょう。交代して行うことで、より効果的な胸骨圧迫を続けることが出来ます。

 

  • AED到着後、AEDのアナウンスに従って応急手当を続ける。

 

AED到着後、まず初めにケース、蓋を開けて(ケース、蓋がないタイプもあります)電源を入れます。

 

電源を入れた後、傷病者の胸をはだけさせ(服、下着をまくり上げる又は切る)、右胸の上部、左脇腹に電極パッドを貼ります。

 

AEDが自動で心電図の解析を開始するので、「心電図を解析中です。体に触れないでください。」という音声が流れたら、誰も傷病者の体に触れないように「体に触れないでください。離れてください。」と周囲の人を遠ざけます。

 

AEDから「電気ショックが必要です。体に触れていないことを確認し、ボタンを押してください。」という音声が流れたら、「電気ショックを実行します。体から離れてください。」と再度周囲を確認し、誰も傷病者の体に触れていないことを確認し、速やかにショックボタンを押します。

 

次の心電図の解析が2分後に開始されるので、それまでの間、胸骨圧迫30回→人工呼吸2回→胸骨圧迫30回…と繰り返します。

 

AEDから再度「心電図を解析中です。体に触れないでください。」と音声が聞こえてきたら、先ほどの流れを繰り返します。

 

 

<Point>

 

・音声の内容は若干違うかもしれませんが、流れはどのメーカー、機種も同じなので、音声に従ってください。

 

・電極パッドを貼る時も、胸骨圧迫を中断しないでください。

 

・電極パッドを貼る時、服を脱がしている暇はありません。素早くまくり上げ、胸骨圧迫をなるべく中断させないようにします。まくり上げることが困難な場合、AEDに同封されているハサミで衣服を切ってしまいます。高価、気に入っている衣服を切ってしまったら後から訴えられるのではないか、と心配される方がいますが、緊急時の必要な処置と認められると裁判でも負けることはまずないので安心してください。

 

・電極パッドを貼る時、胸毛が濃くて皮膚から浮いてしまう場合、そのまま貼ってしまうと有効な心電図の解析、電気ショックが行えません。付属のテープで脱毛してしまいます。電極パッドの予備がある場合、電極パッドの粘着で脱毛するのも有効です。脱毛に電極パッドを使用した場合、予備のパッドのコードを繋ぎ直すのを忘れないようにしてください。

 

・体が水に濡れていると、電気が体内を通らずに水のある表面を流れてしまう為、貼る部分と電極の間を布などでしっかりと拭いてください。他の部分は濡れていても問題ありません。

 

・電極パッドは必ず「右胸の上部と左わき腹」でなくても、「左胸の上部と右わき腹」、「胸と背中」でも可能です。心臓をしっかりと電極パッドで挟んでいれば大丈夫です。

ペースメーカーを埋め込んでいる場合、胸の上部にある場合が多いので、ペースメーカーがある場合は「ペースメーカーとは反対側の胸の上部と対角のわき腹」又は「胸と背中」に貼るようにしましょう。

 

・傷病者がネックレスをしている場合、電気ショックがネックレスに流れて有効な電気ショックにならないことがあります。素早く外せる場合は外し、外れない場合は出来るだけ顔側に避けておきましょう。

 

 

  • 救急車が到着し、救急隊に引き継げるまで、6~8を繰り返す。

 

救急車の現場到着所要時間は全国平均で8.7分(総務省消防庁令和元年公表)とのことですが、その時の現場管轄救急隊の出動状況、道路状況などによって大幅に変わってきます。

 

救急隊が到着するまで、AEDの音声に従いながら胸骨圧迫、人工呼吸を続けてください。

 

<Point>

・胸骨圧迫は非常に疲れるので、必ず交代しながら行いましょう。交代の時は、胸骨圧迫をしている救助者の反対側に回り、胸骨圧迫をする姿勢を準備し、「1で代わります。5、4、3、2、1」と息を合わせて、なるべく中断されている時間が無いように交代します。

 

・119番通報、AEDの準備・操作、胸骨圧迫、人工呼吸を行っている方以外の人で手が空いている場合、傷病者の荷物を纏めておき、救急隊に速やかに渡せるように準備しておきましょう。かばんや財布の中から身分証などを探す行為は、関係者(家族など)以外が行うといらぬトラブルの原因になるため、それ以外の方は傷病者の荷物をまとめるだけにしておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

5・乳児・小児の心肺蘇生法

基本的な流れは大人の心肺蘇生法と同じですが、乳児(1歳未満)・小児(1歳以上中学生以下 およそ中学生含む)の場合は年齢、体格によって胸骨圧迫のやり方が異なります。

 

乳児の場合は、両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安に、片手の人差し指と中指の2本で押します。

 

(参照:https://www.med.or.jp/99/img/kids.jpg)

 

小児の場合、片手で圧迫しますが、体格が大きければ成人同様に両腕で押します。

 

(参照:https://www.med.or.jp/99/img/kids.jpg)

 

胸骨圧迫の回数、人工呼吸の回数は大人と同じですが、胸骨圧迫の深さは、胸の厚みの約1/3が沈むように圧迫します。

 

AEDの使用手順は大人と同じですが、小児用パッドや小児用モードがある場合は、確実に未就学児(小学生未満)と推測される時に使用してください。

 

(参照:  http://www.chunou-119.jp )

 

ない場合はそのまま成人用パッドを使用して問題ありませんが、小児の体にはパッドが大きいため、パッド同士が触れ合わないように注意してください。

 

胸と背中に貼るとパッド同士が触れ合うこともないので、一つの手として覚えておくといいと思います。

 

 

 

<Point>

・片手か両手か迷うような場合は両手でやりましょう。明らかに両手で行うと力が強すぎると感じる場合は片手で行いましょう。

 

・小児用パッドを使用する場合、コネクタを確実に本体に刺せているか確認してください。

 

・成人用パッドや通常モードでは子供にとって電圧が強すぎるため、大人と同じ電圧では体(心臓の筋肉)を痛めてしまう可能性があります。そのため小児用モードや小児用パッドを使用した場合、成人モードの1/3程度の電圧でショックを行います。

 

そのため、未就学児以上の体格の傷病者に対して小児モードや小児パッドを使用してしまうと、ショックに必要な電圧が足りず、有効なショックが行えない可能性がありますので、迷った場合は成人パッドでの処置を行いましょう。

 

 

6・心肺蘇生を行った結果、訴えられる?

 

頑張って心肺蘇生を行ってもその結果や合併症についての責任を問われることはあるのでしょうか?

 

答えは、「市民が行った心肺蘇生について民事上、あるいは刑事上の責任を問われることはまずない」です。

 

もし救命処置を実施する状況でなく、勘違いで実施してしまった場合についても、「緊急事務管理」というものが成立するので、責任を問われることはありません。

 

救命処置は1分1秒を争う状況で実施されることから、瞬時の判断が必要ですが、救命講習などの実技を受けたことのある一般市民であっても、的確に状況を判断することは事実上困難であるからです。

 

従って、力の入れすぎによる肋骨骨折や内臓損傷、頚椎損傷などについても、最低限のマニュアルに沿っている限り、責任に問われることはかなり稀なケースになります。

 

 

しかし、一般市民が処置に当たった場合でも明らかな悪意や重過失があった場合は責任に問われることがあります。

 

最低限のマニュアルに沿っていない、必要以上に粗雑・暴力的、必要以上に社会的被害がある等が当てはまると思います。

 

今のところ、一般市民が責任を問われて起訴されたということはないようです。

 

実際に弁護士さんの意見として、

「そもそも倒れた方を、勇気をもって助けようとした方が訴えられるということはレアケースで、むしろ助けた人に対して感謝される方が多いのではないかと思います。

 

また、仮に訴えたとしても、差版で勝てるかどうかというと、用件を満たし、かつその立証をしなければならないことを考えると、なかなか難しいと思います。

 

そもそも訴えること自体、専門的な医療知識が必要になったりもします。費用や時間もかなりかかると思いますので、倒れた方を救助して訴えられるというのは、あまりないと思います。」

(参照 : https://inoti-aed.com/aed-low2/)

 

このように意見されているので、一般の人が訴えられるということはなさそうです。

 

また、僕のように元消防士や現役の医療従事者が処置に当たった場合、専門的知識や実務経験があるため、最悪の場合、訴えられます。

 

しかし、一般の人と同じように、救助した側は感謝されることがほとんどだと思うので、マニュアルに沿って、正しく、臨機応変に処置したのであれば、訴えられたとしても、負けることはほぼないでしょう。

 

7・実際に心停止の傷病者と向き合う前に

 

 

実際に目の前で人が倒れたら間違いなくパニックになると思います。

 

いくら経験がある僕でも、妻や子供たちが倒れたりしたら間違いなくパニックになります。

 

でも、パニックになって何もしないでいると、その人はどんどん死に近づきます。

 

平成30年のデータですが、一般市民が目撃した心停止傷病者は25756人、そのうち、一般市民が心肺蘇生を実施しなかった傷病者は10791人(41.9%)、社会復帰したのは482人(4.5%)でした。

 

一般市民が心肺蘇生を実施した心停止傷病者は14965人(58.1%)、社会復帰したのは1873人(12.5%)でした。

 

この数字からもわかるように、心停止後に誰かがその傷病者に手を差し伸べることで、約3倍も助かる確率が上がります。

 

僕は自分の家族が目の前で倒れているなら、その少しでも助かる確率を上げるために手を尽くします。

 

あなたはどうしますか?

 

一緒にあなたの大切な人を守っていきましょう。

 

 

質問や意見がある場合はお気軽に下の連絡先からコメントお願いします!

 

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